大判例

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東京高等裁判所 昭和58年(う)1775号 判決

所論は要するに,原判決は,被害車両が時速約70キロメートルで進行し,交差点での安全運転義務にも違反している点について事実の認定を欠いているものである,というのである。

しかしながら,司法警察員作成の昭和57年8月25日付実況見分調書,被告人の可法警察員に対する供述調書によれば,被告人は,普通乗用自動車を運転中,原判示の交差点で赤色信号によりいったん停止した後,直進すべく発進し,約15.6メートル進行した実況見分調書添付見取図②の地点で左斜め前方に左方道路から直進して来る平井常夫運転の普通乗用自動車(タクシー)を発見し,被告人車に制動をかけたが,②地点から約3.2メートル進んだ③地点で被告人車の左前部がタクシーの右側面に衝突して,被告人車は若干はね返されほぼ③の地点に車体を少し斜めにして停止した,というのであり,……省略……

また平井常夫の司法警察員に対する供述調書によれば,同人運転のタクシーは時速約70キロメートルで交差点に進入したもので,同所付近の制限時速40キロメートルを大幅に超えていたとはいうものの,右の違反を含め同人の責に帰すべき事情の如きは,被告人自身が赤色信号を無視して交差点に進入したという本件の訴因のもとにおいては,訴因を構成する事実ではなく,原判決の罪となるべき事実中に右の点が示されていなくとも,事実の記載に欠けるというものではないのであって,原判決に理由不備とみられる点も存しない。

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